2010年6月30日水曜日

ソーシャルメディアがメッセージになる時:原油流出事故と@BPGlobalPR

Bylineから

【本稿のライターは、Matylda Czarnecka】
BP protester in Bloomington, MN
写真提供 Fibonacci Blue

ほぼ誰もがBPの原油流出について何か言いたいようだが、広報的観点から見て同社は危機的状況にある。株価もブランド価値も急落し、この会社は何とか自分たちの本当の声を聞かせようと苦闘している。

Googleで"BP PR"または"BP public relations"(「BP 広報活動」)を検索すると、非広告検索結果のトップに来るのは@BPGlobalPR。これはTwitter上のパロディーアカウントで17万5000人以上がフォローしている。一方、BPの公式アカウントである@BP_Americaには1万5000人しかフォロワーがいない。@BPGlobalPRという風刺アカウントが、オンライン上の会話を支配している。これは、ソーシャルメディアがいかに、危機的状況における企業のメッセージを形成し、制御するかを示す教訓的実例である。なりすましアカウントは、痛烈なものまねで、バイラルに広がった。例えばこんなツイートを発信する。

弊社は湾内における情報流出を止めるためにあらゆる手段を講じています。http://ow.ly/22XTw #bpcares (ツイート)

祝・BPのマザー・オブ・ザ・イヤー2010受賞。オイルピープルの方々だけです。子供たちを連れて浜辺で遊びましょう。http://ow.ly/232ua (ツイート)

弊社の船舶の一隻に落雷あり。地球よ、われわれがあなたに何をしたというのか?!?(ツイート

ハリケーンの季節です。ご心配なく。他のあらゆる事と同じように弊社は対策を講じています!(ツイート

本物だと思っている人たちもいる。当初BPはこのふざけたアカウントを削除するよう望んだが、Twitterのポリシーでは、誤解を与えたりだましたりすることがない限り、パロディーアカウントを認めている。BPはニセ者に対して略歴を書き直すよう 要求し、彼はそれに従ったが、こうコメントすることも忘れなかった、「私たちは、メキシコ湾を52日間にわたって破壊し続けている企業、Beyond Petroleumとは一切関係ありません」。その後、元に戻した、「このページは、BPのメッセージと使命声明をツイッターユニバースに発信するために存在しています。」

BPは、CEO Tony Haywardがカメラに向かって謝罪し、「必ず正常な状態に戻します」と約束することで、世間の怒りを収めようと試みたが、大方はPRパフォーマンスの失敗作として見ていた。Haywardが世間に向かって直接語りかけるという発想は悪くなかったのだろうが、彼の発言は取り繕ったようにみえた。ビデオそのものは、よく出来ていて、金もかかっているに違いなく、このテレビCMが流された広告枠もそうだろう。

一方Twitterアカウントは誰でも作ることができる。もはや企業は、メディアの時間を買い、しっかりプロデュースされたCMを通じてメッセージを流すことに頼ってはいられない。自社が責任の大惨事が進行中とあれば、なおさらだ。Haywardの「元の生活に戻りたい」などという率直なコメントは、磨かれたメッセージの誠実さに次々と疑問を投げかけるだけだ。Twitterやウェブのどこかの誰かが、例えば@BPGlobalPRのようにメッセージに食ってかかる。ツイートしない人たちが見る主流ニュースメディアさえも、このなりすましアカウントにまつわる話題を取り上げた。

もちろん、BPのイメージアップのための試みは、テレビのCMスポットに留まらない。同社は、いくつかの検索エンジンで有償検索ワードを買い、自社の公式サイトを広報した。これらすべとの広報活動は、ある推計によると総計5000万ドルに上ると言われているが、BPが最も批判の的となっているソーシャルメディアサービスと繋がり続けるためには、予測できた行動だ。同社では、Facebook、Twitter、Flickr、YouTubeをはじめとする数多くのツールを使ってメッセージを広めている。なりすましはともかく、独立団体で独自のサイトを立ち上げたところがあり、 例えばBP Complaintsは原油漏出のニュースや活動を記録している。

問題は関与の欠如ではなく、信用度の欠如である。現段階ではどれだけ広報活動をしようとも、漏出を止め、海の清掃を始めないことには効果がない。しかし、BPが自分たちの物語を探してもがいている間に、他人が代わりに話してくれている。

Information provided by CrunchBase

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)





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